映画レビュー

リヴァプール、最後の恋
評価: 4.4

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2019年3月30日公開、オスカー助演女優賞に輝いたグロリア・グレアムと若手舞台俳優のラブストーリーを描いたアメリカ映画『リヴァプール、最後の恋』のレビューページです。『リヴァプール、最後の恋』の映画情報はこちら

作品名 リヴァプール、最後の恋
監督 ポール・マクギガン
製作 バーバラ・ブロッコリ/コリン・ベインズ
製作総指揮 スチュアート・フォード/ジギー・カマサ
出演 アネット・ベニング/ジェイミー・ベル/ジュリー・ウォルターズ/バネッサ・レッドグレーブ
上映時間 105分
製作国 アメリカ

『リヴァプール、最後の恋』
レビュー

リヴァプール、最後の恋

Ayana さん


1987年発表の、ピーター・ターナーの同名回顧録の映画化。リヴァプールを舞台に、1952年「悪人と美女」でオスカー助演女優賞に輝いた往年の大女優グロリア・グレアムと、俳優を目指す青年ピーターの恋愛が描かれている。
 
リヴァプールで同じ家の間借り人として出会った2人。ピーターはグロリアが往年のハリウッド女優とは知らず、親しくなり、歳の差を超えて次第に惹かれ合い、愛し合うようになる。
 
俳優を目指すピーターにとって、大女優だったグロリアは憧れを感じる、刺激的な存在で、チャーミングで無邪気な振る舞いも魅力的だったのかもしれない。
グロリアは2度目の癌告知を受け、愛すればこそ、ピーターの将来を思い、嘘で彼を遠ざける。けれど、倒れたランカスターで連絡したのはかつての恋人ピーターで、リヴァプールの彼の家、彼の家族と過ごすことを望み、ピーターも家族も受け入れる。
 
かつての恋人、けれど、2人の愛は消えていなかった。若い彼を思って突き放したグロリアと、一方的に関係を断たれたと思っていたピーター。愛しているからこそ、癌告知を受けた自分に若いピーターを縛っておくことはできないという、グロリアの決断はせつなかった。本当のことを言ったら、彼は離れなかっただろう。
息子ほど歳の離れたピーターとの恋。若さとはほんの一瞬で、あとは老いるのみ。老いとは残酷。容姿の衰え、抗えない現実。だから、歳の離れた2人の恋は、女性からしたら羨ましい。ずっと歳下の男性から恋愛対象として見られるなんて。けれど、老いていく自分、相手は若い。本当にこんな歳上の自分を愛してるのか、自分だったら不安で確信が持てないかも…
 
グロリアもそんな気持ちが見え隠れする場面があったけど、心から愛し合っていたら、歳の差なんて、シワやたるみなんて関係ないんだな。この2人を見てそう思えた。無条件に惹かれ合い、お互いを尊重し合える存在。2人にしかわからない絆。だからこそ、残された時間を、出会ったリヴァプールで彼と過ごしたかったんだろう。ジュリエットを演じたいと言っていたグロリア。ピーターが彼女を劇場に連れ出し、ロミオとジュリエットの台詞を合わせる場面は、本当に感動的で愛が溢れていた。
 
後半、ピーターの「愛してるから辛い」という言葉がせつない。死期迫るグロリアにどうすることもできないもどかしさと、別れなければならない辛さ。ただただせつない…
アネット・ベニングとジェイミー・ベル、まさにハマり役。
 
こんなにも泣くとは。もう一度噛みしめながら観たい作品。

評価: 4.4

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