『ホット・サマー・ナイツ』レビュー

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ホット・サマー・ナイツ

2019年8月16日公開、『君の名前で僕を呼んで』『ビューティフル・ボーイ』のティモシー・シャラメ主演。少年の人生を大きく変えた、ひと夏の経験を描く青春映画『ホット・サマー・ナイツ』のレビューページです。

『ホット・サマー・ナイツ』映画情報

ストーリー

1991年は、激動の年だった。
湾岸戦争が始まり、フレディ・マーキュリーはエイズで逝った。これは、アメリカ東海岸に位置する美しい海辺の町に記録的な猛暑が訪れた夏、この町の“伝説“となったダニエル・ミドルトンの物語だ。
 
6月。夏のケープコッドには、大きく分けて二種類の人々がいる。“サマー・バード”と呼ばれる都会からバカンスを過ごすために来た金持ちの観光客と貧乏な地元民だ。だが、ダニエルは、そのどちらでもなかった。この町で育ったわけでもなく、富裕層の子息でもない。彼のような立場は、肩身が狭く、居場所がない。
 
高校を卒業したばかりのダニエルは、少し前に仲の良かった父親を亡くしたばかりだった。喪失感から抜け出せないまま、部屋に籠りっきりの息子を見かねた母親が、ケープコッドに住む叔母のところに大学が始まる9月までの3ヶ月間、気分転換を兼ねて送り込んだのだ。
 
ダニエルは、ある日、ハンター・ストロベリー(アレックス・ロー)と出会う。地元では有名なワルで危険な男だ。高校は退学させられ、大麻のディーラーとして稼いでいた。キレやすい性格で人を殺したという噂もあった。
 
けれど、孤独なダニエルと一匹狼のハンターはなぜか意気投合した。
 
ふたりで時間を過ごすうちに、ダニエルはハンターにたのみ込み、一緒に大麻を売りさばき始める。機転の利くダニエルが加わったことでビジネスは上手く回り始めた。勢いづいたダニエルは町の外にまでそのテリトリーを拡大させていくが、そんな彼にハンターは危険を感じ始めていた。
 
ダニエルは、ある日偶然、町一番の美人のマッケイラ(マイカ・モンロー)と出会い、恋に落ちる。しかし、マッケイラの兄が、じつはハンターだったのだー大切な妹に手を出すな、と告げられてしまう。それでも彼女への気持ちを抑えきれないダニエルは、ハンターには内緒で付き合い始める。初めての恋は、父を失った哀しみを癒し、ダニエルは徐々に自分を取り戻していくのだがーー。
 
8月。ケープコッドに最大級のハリケーンが迫る日、ダニエルの人生は決定的に変わろうとしていたーー。

映画情報

作品名 ホット・サマー・ナイツ
監督 イライジャ・バイナム
製作 ダン・フリードキン/ブラッドリー・トーマス/ライアン・フリードキン
製作総指揮 ピーター・ファレリー/ネイサン・ケリー/ジャスミン・ダギギアン/ケイシー・ワイルダー・モット
脚本 イライジャ・バイナム
出演 ティモシー・シャラメ/マイカ・モンロー/アレックス・ロー/マイア・ミッチェル/ウィリアム・フィクトナー/トーマス・ジェーン/エモリー・コーエン
上映時間 107分
製作国 アメリカ

『ホット・サマー・ナイツ』レビュー 一覧

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1991年、父を亡くしたショックで引きこもりがちになったダニエルは、母に半ば強制的に夏の間、海辺の小さな町ケープコッドの叔母の家で過ごすよう言われる。バカンスにやってくる都会人「サマーバード」でも、地元民でもないダニエルは町でも孤立した存在だったが、地元で有名なワル、ハンター・ストロベリーと出会い、つるむようになってから日々が変わっていく。
 
全く正反対で共通点のないように思えるダニエルとハンターが、なぜつるむようになったのか。お互い、自分にないものに惹かれたのか、それともどこかで本質は似ていたのか。大麻のディーラーのハンターに頼み込み、一緒に売るようになる頃から、ダニエルは殻を破ったかのように強気に、大胆になっていく。町1番のモテ女、マッケイラに例に漏れず一目惚れ。なぜかマッケイラもダニエルに興味を示し、デートを重ねるようになる。マッケイラもイケイケなようでいて、実は身持ちが固かったり、あどけなかったりで、背伸びせずに素の自分で付き合えると相手と感じたのかなぁ。けれど、マッケイラがハンターの妹だったから、また厄介なことに…。
 
ダニエルが大麻をどんどん売りさばき、大金を手にし、ハンターが慎重になるほど、危うさを増していく。金儲けの為と言い切るけれど、それだけが理由とは思えない。成功によって自信を得たり、自身の存在を証明したかったり。あるいは、若さ故の暴走かもしれない。越えてはいけない一線を越えた時に、後悔しても時すでに遅し…。小さな町で生まれ育ち、そこで生きてきたハンター、マッケイラ兄妹の方が、根底には純粋さや強さや覚悟があって、ひと夏だけ過ごすためやってきて、熱に浮かされたように変化し、どんどん破滅に向かっていったダニエルとは、とても対照的だ。
 
ひと夏の甘酸っぱい青春映画というよりは、かなりビターな青春映画。ティモシー・シャラメ(ダニエル)、アレックス・ロー(ハンター)、マイカ・モンロー(マッケイラ)がそれぞれ魅力的で、引き込まれる。

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